大学生の賃貸お部屋探しでよく見かける合格前予約について解説
合格前予約で賃貸物件を借りる方法をご存知でしょうか?
近年では、その合格前予約が無料ということも珍しくありません。
合格前予約をよく理解し賃貸物件を借りる際には優位に進めていきましょう。
目次
■合格前予約で賃貸物件が借りれるケース
大学近くのエリアの、学生アパート・学生マンションが借りる事が出来ます。しかし全国的にすべてに当てはまるとは限りません。明らかに学生街の賃貸物件である場合や学生限定の賃貸物件である場合がほとんどです。
※学生アパート・学生マンションでも特に国公立大学エリアの賃貸物件が顕著です。
■合格前予約の種類について
合格前予約には、無料合格前予約と有料の合格前予約の2種類があります。
無料合格前予約について
読んで字のごとく無料です。自分の気に入った部屋があれば、無料でその部屋に住むことが出来る最優先順位を確保する事ができます。最優先順位というのは、基本的には極めて100%に近いのですが、確実にその気に入った部屋に住めるという事ではなく、あくまでそれまで住んでいた人が退去した場合です。そう聞くと、とても不安になりますが、100%に近い確率で入居できるのが通例です。100%にならない例は、今まで住んでいた人が、どうしてもその部屋に住み続ける必要が生じた場合です。
ただ通常は、学生賃貸物件ですから、数か月前に卒業できるか否かを入居者に確認を取ったうえで合格前予約(次の募集)を行いますので、あまり神経質になる必要はないです。
合格前予約の特徴としては、電話のみでも可能な場合が多いですが、合格した場合にはその合格前予約した部屋で契約を進めていくことが前提となる場合が多いです。
私の知っている限りの情報では、ある国立大学近くに、数多くの学生アパート・マンションを貸している会社があります。その会社は、仲介の不動産会社ではなく、直接入居者に貸している不動産会社です。自社で貸している部屋が沢山あるので、自社の貸し出す部屋であれば、どれに入居してもらっても問題ないという考え方の会社です。その為、合格前予約した後、その部屋が気に入らなかった場合には、自社の数多くの部屋の中からさらに選ぶことが出来るというものです。
広島大学東広島キャンパスにそのエリアはございます。広島大学東広島キャンパスに入学を希望している方は一度その会社のHPを見ていただいても良いかもしれません。TV取材なんかもされているようです。HPはこちらをクリック
有料の合格前予約について
有料のタイプは相対的に、その賃貸物件に自信が無い事が考えられます。有料にすることでキャンセル等をしたい場合に、キャンセルしにくくする目的が見え隠れしています。その他に考えられる事は、合格前予約を実施している会社の方針が考えられます。お客様の理想のお部屋に少しでも近づくようにと考える方針でない場合、労力を惜しむ場合には有料にしておかなければ報酬が発生しませんので、動いただけ労力を消費したという事になります。
その結果、生産性を優先的に考える方針では有料ということになります。
■合格前予約のしくみについて
合格前予約というのは前章で説明したように、主に国公立大学エリアの賃貸物件で行われます。そのエリアでは学生専用アパートやマンションばかりという特殊なエリアでもあります。必然的に入居している人は学生ということです。学生のキャンパスライフでは欠かせない卒業というイベントがあります。その卒業は必ず3月末ごろに一斉にやってくるのです。すなわち多くの部屋で同じタイミングでお部屋の退去がなされるのです。しかも、この流れは毎年のことで、不動産会社は多くの部屋の退去処理を一斉に行います。そうすれば、当然入居についても同じ時期で一斉に行うことができるのです。
退去処理というのは、早いところでは半年前から主に大学4年生に対し、来年春(3月)に退去しますかというお伺いをたてます。お伺い方法はアンケートという名目で行われているようです。大学4年生の多くは、卒業する半年前には次の進路が決まっており、今住んでいる部屋を解約するかどうかは既に分かっている状況です。そのような状況の為、数多くの退去予告を不動産会社が集めることが可能になるのです。それにより、来年春に入学してくる人のための部屋募集が早い段階で可能になるのです。
その早目の募集部屋に予約することが、合格前予約というものになります。すでに志望校に合格する自信のある方や熱心な受験生の親御様は調べが早いですから、条件の良い人気物件は、早い段階で予約されてしまうという事も起き始めてきます。
このような事情から合格前予約が有利となり年々利用する人が増えているのです。
■合格前予約に必要な費用について
まず無料の合格前予約については、基本的に0円です。信じられないかもしれませんが事実です。
不動産会社としても、早めに退去状況が把握できるため、わざわざ3月末に一斉募集をするより、早めにわかっている状況で募集していくほうが流れとしてもスムーズになり混乱が生じません。利用者にメリットがると同時に不動産会社側にとっても、早い時期から少しずつお部屋が決まっていくほうが混乱がなくメリットがあるためです。
有料の合格前予約は、家賃の1か月分程度を予約金としている会社が多いようです。
この予約金は、通常、無事合格して契約に移行する際に契約金に充当されるという流れですから無駄にはなりません。
また、不合格だった場合は払い戻されることが一般的です。(例外があるかもしれませんのでしっかり確認してください)
合格した後に、その部屋に入ることを拒んだ場合は払い戻しがないことが多いのでご注意ください。
合格前予約は、あくまで気に入った部屋だということが前提で、気軽に部屋確保ということではないのです。
■合格前予約を受け入れる貸主側の事情
合格前予約(特に無料合格前予約)と聞くと、借主側にメリットありそうに感じます。
しかし、この合格前予約は貸す方(貸主・不動産会社)にもメリットがあるのです。それは、合格前予約ができる対象賃貸物件は学生物件である為、必ず3月末の退去が一斉にある為です。貸主側としては一斉のたくさんの部屋が解約になりますので、次の募集に失敗すれば、多くの部屋が未成約のまま長い間空室となる可能性があります。
万が一でもそのような事にならないよう早めに募集をかけて様子を見たいという気持ちがあるのです。
おそらく、合格前予約した人全員が合格して、全ての部屋が契約となるというケースは少ないでしょうから、ある程度の不合格者が出たとしても、その時点では、いくらかの部屋は契約見込みとなっている方が安心で確実なのです。
大抵の国公立大学の合格発表日は3月上旬に集中します。その結果が分かった後に募集し始めるのと、合格発表日にはある程度の部屋が契約になっている状態を比べると、明らかに貸主側としても、残り部屋数が少ないほうが良いという事になるのです。
■合格前予約のデメリットとは
合格前予約が一定期間過ぎ、落ち着き始めたころに初めて合格前予約を知ったケースです。
問い合わせてみると、完全に要望に一致した部屋が既に予約されていた場合、やむを得ず要望の幅を狭める事になります。もちろん本当の第一希望は違う部屋であるという事を伝える事になりますが、その要望が確実に伝わる保証が無いことです。人気の部屋は順番待ちが出る事も珍しくありませんので、まだどの部屋も確実に予約ができていない方が順番待ちのみという状態の場合、そちらの人が優先的に再募集がかかった(不合格者の予約部屋)に当選する場合が多いからです。その結果、早く予約した為に、100%の要望部屋にならなかったというケースが考えられます。
しかし、早めにある程度、要望に近い部屋を確保できているという大きなメリットがある事は間違いありません。合格前予約をしなかった場合は、そもそもその部屋(建物)に巡り合う事もなかった可能性もあります。
■合格前予約のやり方
ここでは、国公立大学の商圏にある学生賃貸アパート・マンションを例にします。
例えば、広島大学 賃貸 というキーワドで検索します。大学名+賃貸という組み合わせです。
そうすると学生アパート・マンションに数多く関わっている不動産会社のHPが並びます。検索結果のページ目の数社のHPを見てみてください。合格前予約を行っている会社のHPには、ほぼ間違いなく合格前予約を行っているという記載があるはずです。そこには、無料合格前予約か有料の合格前予約かも明示してあるはずです。
その次に取るべき行動は、やはりTELです。TELを受ける側も、多くの問い合わせに慣れていますので、合格前予約の事だけでなく、学生生活についても答えてくれる会社が多くあります。
不動産会社も、毎年同じ賃貸物件を紹介する事になる為、人気が高い順等の情報をストレートに聞いてみる事も良いと思います。
3月末の退去となる学生賃貸物件は、室内の内覧が物理的に無理な物件が多く、不動産会社の担当者に委ねざるを得ない事もしばしばです。そのような事情からも、担当者に要望を理解してもらうようTELでしっかりと意見交換をすることがオススメです。あまり自分で決めつけて判断しない方がベターと言えるでしょう。
担当者側も、短時間でスムーズに件数をこなしていかないといけない為、基本的に、早く喜んでもらえる部屋を合格前予約してもらうため、人気が高い賃貸物件から、進めてくることが通例です。
■合格前予約のベストなタイミングは
では、いつ合格前予約をするために不動産会社へTELするのが良いかというと、卒業する人の解約部屋情報がたくさん集まるピークの時期です。具体的には、11月~12月頃の可能性が高いです。
不動産会社により解約情報の集め方・集める時期が異なると思いますが、次の入居希望者の行動パーターンからすると年々早まってきています。そのことを不動産会社や貸主は知っていますので、卒業する人に対しての解約情報は11月頃には集め切ろうとしています。少なくとも年内にはと躍起になっている現状があります。
そのような背景からすると、12月頃は、志望校も絞り切れていない人が多い・退去情報はほぼ集まっているという状況が考えられます。すなわち、次の募集(来年春の募集)の部屋が確定しているが、予約をする人の動きもまだ序盤であるというタイミングがベストだと考えられます。