ベテラン宅地建物取引士が、初めて部屋(賃貸物件)を借りる方へ失敗しない部屋探しの基礎知識を作ってみました。
初めての部屋(賃貸物件)探しはどうすれば正解なのか?これが正しいという正解は慣れた人でも難しいことです。それは以下のような理由からです。
1・部屋探しは、多くの場合県外等でほとんど知らない場所で探すことが多い。
2・部屋探しする際、最も多くの選択肢から選ぶ方法が分かりにくい。
3・多くの候補物件を見つけたとしても、全て内覧するには時間がかかりすぎる。
4・部屋は気に入っても周辺環境まで把握する事が難しい。
5・その地域の不動産会社へ行って話を聞いても、その話がすべて正しいとは限らない。etc.
数え上げればいくらでも出てきます。それほど完璧な部屋探しは難しいとも言えますが、ここに書かれている方法を実践すれば難しい部屋探しも楽になるかと思います。
■たくさんの選択肢から物件(部屋)を探すには?
最近はインターネットを利用する事は必須と言ってよいでしょう。
沢山の物件情報がネット上にはあります。基本的な探し方は
大手ポータルサイトと呼ばれるSUUMO(スーモ)・LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)
2017年4月1日以前はHOME’S(ホームズ)・athome(アットホーム)の3大ポータルサイトです。
この3大ポータルサイトには調べきれないほどの物件数が掲載されています。
この有名なポータルサイトは、競って物件を掲載いていますので、同じ物件が掲載されている
ことが非常に多くあります。したがって全て検索するのも良いですが、どれか1つに絞って検索
した場合と3つとも検索した場合と同じ結果(気に入った部屋)にたどり着く可能性もあり得ます。
3大ポータルと言われておりますが、特にSUUMO(スーモ)・LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)
は外さない方が良いかもしれません。
不動産会社目線で見ても、SUUMO(スーモ)はリクルートが運営しており、非常に知名度が高く
サイト訪問者が多いことが魅力で、多くの不動産会社は掲載しています。また、物件掲載不動産会社
へSUUMOビジネスコンシェルジュというサービスがあり、サイトへの掲載方法やサイト利用者の利便性
が向上するよう定期的に不動産会社へアドバイス等を行っています。その為、数年前は物件情報が多い
だけに物件情報が散乱気味で探しにくかった状態から、探しやすいサイトへ進化しております。
掲載情報も、室内写真の枚数が多い事やしっかり物件のコメント等を掲載している質の高い物件情報が
代表物件として掲載されることによりサイト訪問者がわかり易く検索出来るよう工夫されています。
LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)も同様に探しやすいサイトです。
■どんな項目から探したらよいか?
まず、物件立地から決めていく方法が良いかと思います。引っ越す目的が転勤であれば、通勤○○分以内とか
駅まで○○分等で、どのエリアがその条件をクリアするのか絞り込んでいきます。
不動産会社へ住みたいエリアを広く伝えてしまうと、おおよそのエリアでは、かなり物件数が出てくると思います。
物件を探す担当者も物件資料集めだけでも困ってしまうのが現状です。さらに事前に資料請求デモされた場合は
相当な枚数の印刷などが必要になります。
自身の探しやすさの為にも、まずは立地を良く調べて特定しましょう。立地を調べるにはグーグルマップがオススメです。
次に間取りを決めるのが良いでしょう。自分が生活するうえで部屋数がいくつ必要なのか?広さはどの程度の広さが必要か?
を考えます。物件情報に記載のある間取りやタイプといった項目の部分ですが主要タイプ別に簡単に説明をします。
・1R 居室1部屋タイプで部屋の中にキッチンエリアがある部屋です。
・1K 居室1部屋タイプで部屋とキッチンエリアがドア等で仕切られており、キッチンスペースと居室への通路を兼ねている
いるオーソドックスな部屋です。
・1DK 居室1部屋タイプで部屋とキッチンエリアがドア等で仕切られており、キッチンエリアがやや広く
ダイニング(食卓を置ける)スペースを確保している。
・1LDK 居室1部屋タイプで部屋とキッチンエリアがドア等で仕切られており、キッチンエリアが広くリビング(居間)とダイニ
ングが確保されている。
・2K 居室2部屋タイプでキッチンスペースはキッチンと部屋への通路を兼ねているタイプ
・2DK 居室2部屋タイプでキッチンスペースがやや広く、キッチンスペースにダイニングを確保できるタイプ
・2LDK 居室2部屋タイプでキッチンスペースが広くリビング(居間)とダイニングが確保されている。
・3K 居室3室タイプでキッチンスペースは部屋への通路も兼ねているタイプ。賃貸物件では数が少ない。
・3DK 居室3室タイプでキッチンスペースがやや広くダイニング(食卓を置ける)スペースを確保している。
・3LDK 居室3室タイプでキッチンスペースが広くキッチンエリアが広くリビング(居間)とダイニングが確保されている。
※リビングとダイニングの広さについて
ダイニングキッチン(DK)の場合、不動産広告を規制している「不動産の表示に関する公正競争規約」では、
広告中に「DK」と表示する場合、「食事室兼台所」として使用できるだけの広さと機能を備えていることが必要であるとしている
(不動産の表示に関する公正競争規約第15条第25号)。最低必要なダイニングキッチン(DK)の広さの目安は、居室数が1部屋の
ときには4.5畳、2部屋以上のときには6畳以上となっている。
リビングダイニングキッチン(LDK)の場合、不動産広告を規制している「不動産の表示に関する公正競争規約」では、
広告中に「LDK」と表示する場合には、「居室兼食事室兼台所」として使用できるだけの広さと機能を備えていることが
必要であるとしている(不動産の表示に関する公正競争規約第15条第25号)。
最低必要なLDKの広さの目安は、居室数が1部屋のときには8畳、2部屋以上のときには10畳以上とされている。
上記のように様々なタイプがある中で、自分に必要なスペースがどのタイプかを決めていきます。一般的に部屋数が多い(広い)
物件の方が好まれますが、当然家賃が上がっていく傾向になります。住む人数や荷物の量を事前に予測をたてて必要最小限の
間取りを選んでいきます。
ここで注意事項があります。部屋のタイプ=部屋の広さではないという事です。例えば2LDKタイプを選んだ場合、LDKの広さが
10畳の物件の場合と15畳の物件の場合とではかなり広さに違いが出ます。さらに居室6畳と8畳も当然異なります。
その違いを確認する方法は、物件情報にある間取り図等で、各部屋の大きさを良く確認する事です。
もう一つ見ておかなければならない所が専有面積です。専有面積とは簡単に言うと自分だけが使用できる面積です。共用廊下(通路)
等は算入しません。この専有面積は㎡の単位で記載されています。例えば奥行き4.5m・横幅3.5mの部屋だとすると、奥行き×横幅=
15.75㎡という事になります。この㎡数を見比べることでどちらの2LDKの物件がゆったりしているか等の参考になります。
次に家賃で上限家賃を決めていきます。
生計を立てるのには無理な家賃では成り立ちません。年収の2.5割~3割程度という言われることが多いようです
(参照)http://www.homes.co.jp/cont/rent/rent_00002/
まずは自分の年収から上限金額を入力して絞り込みます。
この時に注意したいのが家賃以外に毎月必要となる共益費(管理費)や駐車場代です。それらを含めて絞り込みするか、
それらを差し引いて絞り込むことです。※共益費(管理費)はポータルサイトでは含める項目にチェックをしておくほうが
より簡単に絞り込めます。
この様に上記3つの条件を固めることでかなり絞り込めて来ると思います。同時にそのエリアの相場観も見えてくると思います。